アスベストが含まれた屋根材の場合の注意点

かわらU

自分の家の屋根にアスベストが含まれているとなれば心配になりますよね。実際にアスベストを使った屋根の住宅に住んでいたという人が中皮腫を発症したというニュースがありますから、それだけでも怖いと思う人もいるかもしれません。しかし、実はアスベストが含まれているからといって必ずしもすぐに被害があるわけでは無いのです。あくまでも健康被害が指摘されているのは内装部分によく使われている吹き付けのアスベストであり、それ以外のアスベストであればまず害はありません。というのは、アスベストが含まれていたとしても、吹付けでさえなければそのアスベストはセメントによってきちんと固められているのです。1枚1枚個別包装になっているというイメージでしょうか。そのため、内部に含まれているアスベストが被害をもたらす事はまずありません。例えば、建設業労働災害防止協会がアスベストを分類していますが、レベル1から3の中でもこの個別包装されているアスベストの場合は飛散のしやすさが最も低いレベル3と考えられています。

ただし、もしもその建物を撤去するなどということがあれば、その時にその個別包装を割ったり切断したりしたりということが必要になるでしょう。そうなればアスベストが飛び散ってしまい、作業をしている人に被害を与えてしまう可能性があります。しかし、アスベストが含まれている可能性がある屋根を撤去する場合はそれなりに危険に配慮した形で行わなければいけませんので、処理の費用はそれなりに割高になります。また、アスベストが含まれた屋根を撤去できる業者というものはただ単に建物を解体することができる業者というわけではなく、石綿作業従事者特別教育を受講していなければならず、さらには石綿作業主任者技能講習を修了していなければいけません。そのため、誰であってもアスベストが含まれた屋根の作業をすることができるというわけでは無いのです。

もっとも、アスベストが含まれた屋根を撤去しなければいけない、処理しなければいけない点となった場合お金がかかるというのはなかなか大変ですよね。そんな時、カバー工法というのがオススメな場合もあります。カバー工法はアスベストが含まれた屋根を取り外すのではなく、屋根材の上に屋根材を重ねるだけですから、撤去する必要がありません。つまり、撤去する必要がないという事はアスベストを懸念した特殊工事をする必要がないということであり、余分なお金がかかりません。もちろん、2回目に全体の改修工事をしなければいけないというときには屋根材を重ねるわけにはいきませんから、もしもまた改修工事をしなければいけないという可能性があるのであれば、いっそアスベストが含まれている屋根材も取り外してしまう方が良いかもしれません。実際にアスベストは軽く、非常に丈夫です。そのためちょっとした補修と塗装を行うだけで予算を下げ、長持ちさせることも可能なのです。

アスベストが含まれた屋根を修理しなければいけない場合、主に3つのメンテナンス方法があります。まず、屋根材の表面が汚れている場合は再塗装という方法があります。しかし再塗装は塗装をし直す前に高圧洗浄をするため、それによってアスベストを飛び散らせてしまう可能性があります。その対策のために余分なお金がかかってしまうことがありますので、この再塗装は出費がかかるという点でデメリットがあります。また、今現在存在している屋根材を撤去し、新しい屋根材に葺き替えるという方法もあります。ただしこの場合は屋根材をはがさなければいけませんから、大量のアスベストが飛び散る可能性が考えられます。こうなれば工事をする人のみならず、近所の人にも影響が出ますので特別な対策をとらなければならず、廃棄物処理費用などもかかる可能性があります。そのため、葺き替えは高額費用がかかるというデメリットがあり、その一方でいちど行ってしまえばそれ以降、アスベストに悩まされる事はありません。最後に先ほど述べたカバー工法は1番お金がかからず、安全性が高いと考えられています。屋根の上から屋根を設置するだけですから、出費を抑えることが可能なのです。ただし屋根の上に新しい屋根を乗せるという事は重量が重くなってしまうという事ですから、耐震性が劣る可能性があります。日本のように地震が頻繁にやってくる国家においてはあまり理想的な状態では無いかもしれません。

まず、アスベストが含まれている可能性のある屋根を修理する場合、まず業者に相談するようにしましょう。ただの塗装業者に相談してはいけません。アスベストを扱うことができる業者を探し、さらに可能ならばきちんと実績がある業者を見つけることが大切です。悪徳な業者の場合、アスベストが含まれていないにも関わらずアスベストが含まれているかのような見積もりを行い、高額な費用を請求する場合もあるからです。